大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和61(さ)1 判決

主 文

原略式命令を破棄する。

被告人は無罪。

理 由

検事総長伊藤榮樹の非常上告申立について

記緑によれば、大津簡易裁判所は、昭和五八年五月一三日、「被告人は、昭和五

八年四月二五日午後六時四五分ころ、滋賀県公安委員会が道路標識により自動車の

通行を禁止した場所である滋賀県栗太郡a町b先踏切道において、過失によつて右

道路標識の表示に気づかないで軽四輪貨物自動車を運転し通行したものである。」

との事実を認定し、これに対し、道路交通法八条一項、四条一項、一一九条二項、

同条一項一号の二、同法施行令一条の二、刑法一八条、罰金等臨時措置法二条、刑

訴法三四八条を適用して、「被告人を罰金五、〇〇〇円に処する。これを完納する

ことができないときは金二、〇〇〇円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置

する。ただし、端数を生じたときはこれを一日とする。第一項の金額を仮に納付す

ることを命ずる。」との略式命令を発し、その謄本は即日被告人に送達されたこと

及び同略式命令は法定の期間内に正式裁判の請求がされなかつたので同月二八日確

定したことが認められる。

しかしながら、右略式命令認定の日時の当時施行されていた昭和四六年滋賀県公

安委員会告示第八九号(昭和四八年同公安委員会告示第八四号により一部改正)の

定めるところによると、右略式命令認定の日時場所においては、通行禁止の対象と

なつていたのは二輪自動車、軽自動車及び小型特殊自動車を除く自動車であり、本

件車両は通行を禁止されていなかつたのであるから、右略式命令認定事実は罪とな

らなかつたものといわなければならない。

そうすると、原略式命令は法令に違反し、被告人のため不利益であることが明白

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である。

よつて、刑訴法四五八条一号、三三六条前段により、裁判官全員一致の意見で、

主文のとおり判決する。

検察官押谷靱雄 出席

昭和六二年二月一九日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 高 島 益 郎

裁判官 角 田 禮 次 郎

裁判官 大 内 恒 夫

裁判官 佐 藤 哲 郎

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